逃げる?いいえ、戦略的撤退です。

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騎士さんは、こちらに近づきながら腰の剣を抜く。 間合いは隠した方がよくないか? 「せりゃぁ!」 騎士さんは、剣を振り上げて、左上から右下に剣を振り下ろしてきた。 それを見た俺は、体を少し斜めに傾け、剣の腹に両手を添えて、剣を受け流す。 「うおっ!?」 そのまま勢いに従い剣を流した騎士さんは、見事に空振りバランスを崩す。 そこに、止めだと言わんばかりの蹴りを、かなり手加減して放った。 ドゴッ!と、音を出して、綺麗に吹き飛んで、先ほどの騎士達と同じように壁に当たって気絶した。 ‥‥強化しすぎだよぉ。鎧に亀裂ができてるし。 かなり軽めだったんだがなぁ‥‥ 「終わりだ!放て!風の鉄槌(ウィンド・ブロー)!」 ブツブツと、なにやらかなり長い詠唱をしていたらしい糞爺が、高らかに叫んで、魔法らしきものを発動させた。 目に見えないが、風の魔法らしいので、見えないだけだろう。 俺は糞爺のいるほうに手を振るい、再び炎を発動する。 両者の魔法がぶつかり合い、俺の魔法が競り勝って、糞爺を吹き飛ばした。 が、まだ何か魔法を発動させていたようで、意識はあるようだ。 丁度いい、尋問しよう。
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