プロローグ

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まぁ、こんなもの作っても、使う機会なんて無いだろうけど。 だって指輪だもん。 なにが悲しくて、独身男が指輪を着けにゃいかんのだ。 ‥‥え?じゃぁ何で指輪にしたのかって? 分かってないなぁ、指輪ってのはこう言う魔術を施すのに向いてるの。 指輪自体が円の形をしてるし、魔法陣を一々書かなくていいだろ。 持ち運びも簡単、着けるだけで取れることは無い。 まぁ、俺の魔法理論では空気中の魔力がものをいうと言ったけれども、実際魔法は体内魔力でもできるだろう。 ‥‥いや、体内魔力なんて感じれないから分かんないけどさ。 え?じゃぁ何で空気中の魔力があるのは分かるかって? それは、空気中の魔力があると仮定してこれ作ったし。 そもそも、なんでオカルト好きになったかというと、呪い(まじない)をよくしていたからだ。 何故呪いをしていたかと言うと、俺はとてつもなく不幸だったからだ。 そう、某上条さんのごとく不幸だったのだ。 フラグメーカーではなかったけれども。 道を歩けば棒にあたり、ジャンケンでは殆ど負け、賭け事でも当たらないような、とてつもない不幸な人間なのだ。 まぁ、今までの人生で唯一の幸運が、親の遺産だったけれども。 あ、あと魔法か。 っと、戯言もここいらへんにして、現状を話そう。 俺は今、開発したばかりの指輪をポケットに入れて(指輪なんて着けるかっ!)、愉快に歩道を歩いているところである。 時間は夕方で、日は暮れ始め。 下校中の生徒は沢山いる時間帯なのだが、今は人っ子一人もいない。
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