プロローグ

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私と姉さんは何もかもが正反対だった。 姉さんは表情がコロコロ変わって笑顔が絶えない人で目は丸くてパッチリ。 髪の毛もふわふわでショート。 出来ないわけじゃないけど、運動よりも勉強。 高校も偏差値の高い進学校に入った。 姉さんの周りにはいつも人だかりがあった。 対して私は、表情の変化は乏しいし、目付きもお世辞にもいいとは言えない。 口数も少ないし、口を開けば遠慮のない言葉だったり言葉遣いも悪い。 私の場合は勉強よりも運動で高校は部活で選んだ。 そんな私に人が近づくことはほとんどあるはずもなく。 両親も愛想の悪い私よりも姉さんの方が良いらしく、大袈裟なことはしないが姉さんを可愛がっているのは一目瞭然だった。 周りの人間だって姉さんばっかり。 いつも姉さんは誉められて、私が功績をあげても二言目には『さすが楓華ちゃんの妹ね』とか『これで愛想があればいいのに』とかだった。 『双子なのに』 双子だから何?全く一緒じゃないといけないの? 私は私なんだよ。 姉さんとは別の人間なんだよ。一緒にしないで。
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