プロローグ

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色々言ってきたけど、私は姉さんが嫌いなんじゃない。 むしろ大好きで尊敬できる人だ。 姉さんだけが私のことを誉めてくれた。 『頑張ったね』って暖かい笑顔で頭を撫でてくれる姉さんが大好きだったんだ。 周りに期待されても弱音も吐かずに笑顔で功績をあげる姉さんを純粋に尊敬した。 そんな姉さんが。 突然だった。 私が学校から帰って両親に聞かされたのは姉さんが車道に飛び出て自殺を図ったということ。 周りにいた人達は姉さんが自ら車道に飛び出たと言っていた。 その言葉に腑に落ちないところもあったけど、私は両親と共に姉が運び込まれた病院へと向かった。 奇跡的に一命を取り留めたが医者が言うには目が覚める確率は低いらしい。 目の前が暗くなった。 信じられなかった。 姉さんが自殺を図ったことも目覚めないかもしれないということも。 同時に疑問に思った。 何故姉さんは自殺を図った。 私は自分が姉さんの変化にはよく気付くほうだと思っている。 それとも姉さんが自殺するほど何かに悩んでいるのに気付けないほど姉さんはその何かを隠していたのか。 わからない。 わからないことだらけで、頭が痛い。 どうしたらいいのか、わからない。何をすればいいのかわからずにただぼーっとする日々が続いた。 そんなある日。
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