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赤い月。特に確証があるわけでもないけど、なんか不吉な気がして私は足を速めた。
私は極普通の高校に通う二年生、桜木 沙羅(サクラギサラ)。今日は文化祭も近いとあって、クラス発表の劇の練習を閉校時刻まで続けて帰る途中。
「ぅむー;;;もうちょっと早く切り上げた方がよかったかも…;」
すっかり日の暮れて赤い月の昇った夜空を見上げて、私は一人ため息をついた。
私の住む街はわりと活気がある。学校近くには商店街があって、静かだと思う時なんてほとんどない。
でもそんな街でも夜の住宅街は静かなもので。
「電灯あってもちょっと恐いなー…」
やっぱりそう思わずにはいられない。
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