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あれから30分経った。
しかし、隅から隅まで捜してもなかなか出てこなかった。
「…死ぬ覚悟で帰ろっかな」
私が諦めて空を仰ぎながら言い訳を考えていると、突然、話しかけられた。
「おい、お前何漁ってるんや?」
「ふわぁ!!」
後ろから男の子に話しかけられたことに吃驚して変な声出してしまった…
そんな事は置いといて。
私は睨んでくる男の子に誤解されないうちに事情を話した。
「バカやなぁ…
まぁ、そう言うワケやったら手伝ったろか?
入学式に制服ないって、ヤバいもんなぁ」
「あ、ありがとうございます!!」
こんな物分かり良くて心優しいだなんて…
神だ…!
そして、5分後には私があんなに見つけれなかった財布を、あの男の子があっさりと見つけていた。
私はこんな早く見つけてくれたことに吃驚した。
「本当に、ありがとうございます!!」
「いいっていいって
じゃぁな~」
男の子は颯爽と歩いていった。
そして後日、その男の子のお陰で私はちゃんと制服を買えた。
それをお母さんに話したら、「次に会ったら、これ渡してあげなさい」と、お隣から貰った美味しそうなお菓子を渡された。
…賞味期限が切れる前に渡せるのか?
いやいや、まず会えるのか私は心配だ。
だが、そんな心配も杞憂に終わり、後日あっさり渡せれた。
もちろん、このときの自分にはあんな形で会えるとは思ってもみなかったけど…
まあ、この話はいずれ語られるから、その時まで待っとくんだな。
(このしゃべり方何だよ…?)
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