新しい私の机

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私は、水田香苗(みずたかなえ)。 4月で新中学一年生になります。 それを気に、今のボロボロな勉強机から新しい勉強机に変えるため、お父さんとホームセンターに来ています。 「どれにしようかなぁ…」 辺りを見回すと、私の好きなオレンジ色の勉強机が目に入った。 私はつい癖で、その机の機能などを確かめた。 収納も結構あるし、ライトも自分好みの色と明るさ。 そして何より、貧乏な私の家にはとても嬉しい値段だった。 「お父さーん、これ買ってー」 私が呼ぶと、向こうで少し休憩していたお父さんが小走りで来る。 そして、私が指した机に私と同じ事をする。 まあ、私の元だしね。 そして、最後に値段を見た瞬間――― 「うおっこれ安っ!! んじゃ、これ買うか!!」 お父さんは周りにキラキラ光ってる気がするほど、眩しいくらいの笑顔になった。 本当、眩しいよ… お父さん… そして、会計をして自転車でお父さんと帰った。 因みに、勉強机は明日の夕方、家に届くようにしてある。 そして、帰った後直ぐに、弟の大志(たいし)、妹の優美(ゆみ)のところにあることを言いに行った。 「新しい勉強机を汚したり、傷付けたりしたらいつものお仕置きじゃ済ませないからね。」 実は、旧勉強机をボロボロにさせた理由は、弟と妹の兄妹ゲンカのせいなのだ。 それに、次の勉強机だけはきれいに使いたい。 とても気に入ったのだから。 .
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