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結局、私は妖精たちと家族に無理矢理納得させられてしまった。
その証拠に、私の周りに5匹の妖精が浮いている。
「本当に見えてないんでしょうね?」
『もちろんです。皆さんは何の違和感も感じていません。
』
「…本当に?」
『わたくしは人の心が読めるんですから本当です!』
「そう…」
私はハートの言うとうり、大丈夫と信じていつも通りに歩いた。
よく周りの人を見れば、私のことを変な目で見る人はいない。
(よかった…)
私は、ほっと一安心した。
すると、後ろから私のよく知った声がしたので、振り向いたら、美雪がいた。
「おはようございます。香苗」
「おっ、美雪おはよーっ」
美雪も実は、一緒の私立中学…と言うか、この町に住んでいる子供は必ず、この私立中学を受験させられる。
それで、私と美雪は見事合格した。
貧乏なのに何で私立かって?
そりゃあ、ねぇ?
後で分かるよ。
「今日から、私たち中学生ですね!」
「だね!すっごい楽しみ!!」
「香苗はやっぱり前、言っていた先輩に憧れて野球部のマネージャーになるのですか?」
「いや、普通にソフトボール部だけど。」
美雪は足を止め、ぱちっと瞼を一瞬閉じた。
「…え? あれだけ言っていらしたのに?」
「う、うん。
…て言うか、部活まで雑用とか嫌だよ?
家にどんだけあることか…」
私が遠い目をしたのを見て美雪は察してくれた。
そんな美雪も苦笑いだけど。
まあ、何回か家に来て家族の被害に合ったから…
美雪はその表情のまま少し歩くと、目的地に到着したみたいで学校を見ながら一気に顔がぱぁっと弾けた。
妖精たちもそんな美雪を見て、前を見た。
しかし、妖精たちは美雪とは違う表情だ。
そう、驚いた表情だった――
『こ、これが……』
『『『『『学校ーーー!?!』』』』』
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