小説自体始めての処女作です。 ではどうぞ

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もうだいぶ前の話だけど、口癖は「お金がない」「奢って」「ちょうだい」な 卑しい女がいた。飲み会では財布にお金を入れないままやってきて 「お金持ってないし~」と他人に出させてバックレ。 ランチにも勝手についてきて「お金持ってきてない~」と誰かに奢らせ。 1、2回は「え?え?」と策にはまってしまった顔ぶれも、 あまりの図々しさにだんだんと疎遠になっていった。 ランチには見つからないように逃げたり、まいたり。飲み会も情報が漏れないように必死。 もちろん友達なんていなかったけど、勝手に「友達でしょ」とつきまとって なんとか他人にお金を出させようとする嫌な人だった。 初めて「卑しい」っていう形容詞はこういうときに使うんだなあ…と実感できたような人。 そんなある日、その女が大学の近所の喫茶店で揉めているところに遭遇。 レジの前で泣いてる。 やばい!と思ったときはバッチリ目が合ってしまって、こっちに向かって うわああ~~ん、みたいに泣きながら抱きつこうとした。避けたけど。 どうやら別のグループにたかるつもりでついてきて「お金ない」をやって 「あっそ」と置き去りにされた所だったらしいw お店の人に「お知り合いですか?」と聞かれて 「顔は知ってますが友達じゃないので払いません」と言ってUターンしてきた。 なんで、とかひどい、とかわめいてる声を背後に店を出てから、 連れと一緒に大笑いした。あれはスッキリした。 お店の人はいい迷惑だったろうけど、置き去り実行したグループGJ!!と今でも思う。
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