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銀『……うゥ…』
土『…おら…しっかり歩けクソ天パ……』
銀髪頭の酔っ払いを左肩で支え
右手には汚れた制服の上着
俺は泥酔状態の先輩を家まで送る会社の後輩か!!!
…自分でもよく分からないツッコミを心の中でしてしまった
はァ…
俺は深いため息をひとつつき
重い足取りを進めた
鬼の副長ともあろう者が
なんで…
『…多串くーん。まだ家に着かねーの?あとどんくらい?俺疲れたんだけどォー。もうちょい早く歩いてくんない?』
土『うるせエエエエエエ!!!てめェ誰が一番疲れてると思ってんだ!!俺はいつでもてめェをここに置き去りにして帰ってもいいんだぞ!!分かってんのか!?立場をわきまえやがれ』
銀『…あァ…気持ち悪ッ……おえ…』
土『つーか人の話を聞け!!!』
あァ…
イライラする
なんで俺がこんな目に
汚ねェ制服と
うるせー酔っ払い
万事屋のガキどもに
どう落とし前つけてもらおうか
そんなことを考えながら
万事屋への道を歩いていた
【ピクッ】
銀時が一瞬ピクリと動いた気がした
先ほどまで隣でごちゃごちゃと言っていた銀髪が静かになる
肩を貸しているため
振動が己が身に伝わった
と同時に
銀『土方くん…』
銀時の小さな声が聞こえた
……ん?
なんだこの妙な違和感…
土『万事屋?』
名を呼んでみれば
耳を澄まさなければ聞こえないような声で
銀『そこを右に曲がってくれ』
と言う銀時
訳が分からず
言われた右の道を見てみれば
そこは暗い路地裏
土『は?こんなとこ行ってどうす…』
銀『いいから!!』
俺の言葉を遮り
そう言った銀時から
軽く殺気のようなものを感じた
銀『…土方くんいいから右に曲がってくれ』
先ほど感じた妙な違和感
それが何なのか
分かってしまった
†
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