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あの違和感は俺のことを多串じゃなく 土方と言ったからなのか…? それだけじゃねェ… 隣にいる銀時へと目を向ける 俯きがちに歩いているため 表情はよく見えないが 風に揺れる銀時の前髪 隙間から見えるその瞳は紅く ただならぬ雰囲気をかもしだしていた こいつのおかしな様子 この路地裏に 一体何が………? ゴクリと唾を飲み込む ゆっくりと暗い路地裏へ曲がると そこには… 何もなかった… ところどころにごみが散乱しているだけで 変わった様子はない 大方予想はしていたが… 土『……何もねーぞ』 どーするんだ? と問いかけてみるが 無言で下を向く銀時 何がしてーんだこいつは… 土『おい、万事……』 その時 土方の言葉を遮るよう 銀時が動いた 地面を蹴り上げ 土方の背後へと回ると 腰に挿した木刀を引き抜き 勢いよく振り下ろす 俺はその光景に目を疑った 先ほどまで酔いに身を任せ、歩くこともままならないような状態だったこいつの俊敏な動き 嘘だろ……? 【ゴッッ!!】 鈍い音と共に銀時の足元へと倒れ込む “2匹の天人” 銀『………』 土『…天人……!?』 銀『あァ ずっと俺達を跟けてたみてェだ』 と足元の天人に目を向ける銀時 鬼のような豚のような 異様な姿をしている †
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