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当たり前のことだ。
正直な思いを伝えるのは恥ずかしい。
ましてや好きな相手、例えそれがずっと思いを育んできた彼女だとしても、なかなか真っ直ぐにはいえないものだ。
「ねぇ、ゆう君。」
彼女は悠馬のことを呼ぶと、肩傍に寄り添った。腕を組み合うと、軽く体重を悠馬のほうにかけた。
そよぐ風に乗せて彼女の髪の匂いが香り漂う。
わずかな緊張。ずっと一緒に居ても毎回のように緊張する感覚。まだ高校のときと何一つ変わっていない感情。
「なに?」
彼女にそう問いかけると、太陽の光を放つ、絶えることのない流れを作る川面を見ながら彼女は問いかけ返した。
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