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きらきらとした目。可愛い目―――。
彼女の瞳ーーー。
その顔を見つめていると、音も風も何も伝わらなくなる。
ひたすらにこのたまらなく恥ずかしい時間に緊張させられる。
「それは本来誰もが持ってる。」
しばらくすると、彼女は悠馬に向かってそう呟いた。
「というと?」
「失う人もいる。ゆう君はたとえ虹の玉を失くしたとしても、ずっと私を見つめていてくれるのかな?私すごく怖いんだ。ゆう君が大好きだから。」
返した質問に帰ってきた答えは、不安以外の何物でもなかった。
きっといろんな事に感化されやすい性格の彼女のことだ。
なにか外部からの影響があったのだろうか。
野球の試合を見ると、変にキャッチボールをしたがる彼女の性格からきっと今回の奇怪な言動も、何かの影響があったからなんじゃないか、と悠馬は真剣に見つめる彼女に一つ冗談を言ってみた。
「何言ってんだ?変な小説でも読んだか?」
本当は冗談なんかいう必要などなかったのかもしれない。
悠馬はなんとなくそんな気がした。
どうしてか知らないが、そんな気がしていた。
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