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今日の彼女は、絶対にいつもと違う。解かり切っていることなのに、そのことが変に日常を壊しているようで嫌だった。
「ううん。なんとなく。ちょっと話しておきたかったんだ。私はずっとゆう君を好きでいるからさ。」
「どうしても伝えたかったんだ。虹の玉の存在を・・・。」
鮮やかな茜に照らされた彼女の頬。彼女がそういった後、悠馬ができることは彼女を抱きしめてあげることだけだった。
「僕はずっと君を好きでいる。」
恥ずかしいけど、毎日言う言葉。
暑苦しいかもしれないけど、大切にしたい時間だった。
長い残暑。額には汗が噴き出してくる。心臓の音も絶えない。余計に緊張する彼女との毎日の会話。そして行動が読めない彼女の言動。そしてずっと好きだと確かめたい自分。迷い無く二人の心は―――。
「・・・ありがと。信じてる。」
そう彼女が返答すると、彼女は悠馬を掴んでいた腕を解き、悠馬の正面に立ち、目をそっと瞑った。
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