死せるヤンデレ達の物語:序

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そんな言い間違いにも関わらず二人は理解したのか激しい鍔ぜり合い(包丁とカッターに鍔などは在りませんが)を一瞬で止め、ぐるりと首を陸の方に90°(くらい)回して視線を彼の平凡…な様で以外と整った(多分)顔へと向けました。 何と言うことでしょう、先程の肉食動物も情けない鳴き声を上げて逃げ出してしまいそうな程の狂気を孕んでいた二人の瞳は、まるで生まれて数ヶ月程しか経っていない子猫のように澄んだ瞳へと変わっているではありませんか! その変貌っぷりに些か驚く陸ですがこんな事は今に始まった事ではありません。 「ひとにい…」 と、彼が驚いている様を見つめている少年―包見 丁(つつみ ひのと)が頬を膨らませて陸に向かって呼びかけました。 彼は陸が小学生時代からのお隣りさんの息子で三つ程年下(即ち中学二年生)の幼なじみです。厨二病真っ盛りな時期ですね、この駄文の作者も中学時代は酷いものでした。今も充分酷いですが。 男の子にしては丸みの帯びた大きな瞳に長い睫毛、ふっくらとした桃色の唇に黒いリボンで一まとめにした肩まで伸びている艶のある黒髪のせいか、女の子によく間違えられてしまいます。 ですが、彼はれっきとした男の子でちゃんとちn―すみません自重します。 と、また無駄な説明をしてしまったので話を戻します。
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