†プロローグ

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  「キャーッ」 「宇佐美くーん!」 「カッコイイーっ!」   今日も女子が騒がしい。   「ウサギー」 「…なんだよ」 「いやー、お前の近くにいると女の子が寄ってくるからさー」 「ちょっと裕太!」 「気安く宇佐美くんに近寄らないでよ!!」 「ねっ、宇佐美くん?」 「……ッ」 「あぁっ、宇佐美くん!?」 「どこ行くの!?」 「クールな所もカッコイイ!」   女子は苦手だ。 うるさいし、ベタベタしてくる。   「待てよウサギ!」 「…裕太、さっきから何か用?」 「おう!帰りにゲーセン行こうぜ」 「…遠慮しとく」 「なんでだよ!」 「用事があるんだよ」 「ちぇー、ホントお前って付き合いわりーよな」 「悪いな。またいつか」 「またそれかよ。お前のいつかはいつなんだよ!」   俺は宇佐美ユウジ。 自分で言うのもなんだが、 成績優秀 スポーツ万能 容姿淡麗 はたから見たら完璧な人間だ。 しかし、そんな俺には 人には言えない秘密がある。   「…やっと着いた」   学校の最寄り駅から一時間。 俺は今、隣の隣の町のある店にいる。   「見て!あの人カッコイイ!」 「えー、どうしてこんなお店に?」 「きっと彼女にプレゼントよ!」
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