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「…コレください」
「はい。2000円になります」
「…5000円からで」
「はい、では3000円のお返しになります。包装致しますか?」
「…いえ」
「ありがとうございました!」
俺が来たのは、可愛らしい物が幅広く置かれている店。
男なんて一人もいない。
そう。俺は、
可愛い物が大好きだ。
今日買ったのは大きなウサギのぬいぐるみ。
誰にあげるもの?
そんなものは愚問だ。
コレは俺から俺へのプレゼント。
俺のような男の事を
『オトメン』
と言うのだろうか?
自分でもよくわからない。
「…早く帰ろう」
大きな紙袋を下げ、足早に駅のホームを駆け抜ける。
丁度良く、電車がホームに着く。
行きと同じく、一時間電車に揺られ、やっと家に一番近い駅に着いた。
素早く電車を降り、家に向かって歩を進める事、数分。
「なッ…!」
道端に俺が買ったのとは違った、可愛いウサギのぬいぐるみが落ちていた。
キョロキョロと回りを見渡し、誰もいないことを確認すると、地面に落ちていたウサギのぬいぐるみを拾いあげた。
「か…かわいい…///」
くりくりとした目。
ふわふわとした肌触り。
「だれが…こんな事を?」
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