†プロローグ

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  こんな可愛いウサギのぬいぐるみをこんな所に放置するなんて、なんて野郎だ! いや女郎の可能性の方が高いか? とにかく、こんな事をする人間に、可愛い物を持つ資格はない。   「…大丈夫か?」   ウサギのぬいぐるみを抱きしめ、優しく声をかける。 …と、   『大丈夫なのですっ』 「……フッ、俺も随分と頭がイカレて来たみたいだな」   ぬいぐるみから声が聞こえるなんて、そんなバカな… いくら俺が可愛い物が好きでも…   「疲れてんだな、俺」 『助けてくれてありがとうなのです!』 「な…ッ!?」   今度は声が聞こえただけでなく、ぬいぐるみが笑いながら、腕を上にあげた。   「…高性能?」   今時のぬいぐるみはすごい。   『うんしょっ』 「うおっ!?」   可愛らしい掛け声と共に、腕の中のウサギのぬいぐるみが、ピンクのゴスロリ衣装を見に纏った、小さな女の子に変わった。頭には可愛いウサギ耳まで付いている。   「助けてくれてありがとなのです!我が名はラビットゥイール・ナルニエリと申すです。…助けて下さったあなたの名は?」 「お…俺は、宇佐美ユウジ」 「うさぎ?素敵なお名前です!決めました!」 「…なにをだよ」
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