†プロローグ

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  よくわからねーけど、可愛い物の危機とあらば、話を聞かないわけにはいかない。   「物を粗末にする者の増加により、我々は減少の一途をたどっているのです」 「…それは、可愛い物がなくなるって事か?」 「簡単に言うとそうです」 「でも、それと俺が世界を救うってのは何の関係が…」 「我々可愛い物を救える、可愛い物に対する気持ちが人一倍強い、あなた様のような方を探していたのです」   だから、道端にウサギのぬいぐるみが…   「あなた様ほど可愛い物を愛して下さっている方はいないのです!我が主、ナルと一緒に、可愛い物の為、世界を救って下さいです!」   可愛い物の為…   「わかった。俺が、お前ら可愛い物の為に、世界を救ってやるよ」 『ありがとです、我が主…うさぎ』 「……は?」   よく見れば、目の前にはウサギのぬいぐるみ。   「…夢かよ」   俺、疲れてる上に、頭イカレてきてんだな…。 早く帰って寝よう。 寝たら、今の意味のわかんない夢だって、すぐに忘れられるから… 落ちてるウサギのぬいぐるみを拾いあげ、手に下げた紙袋に優しく入れ、俺は再び家へと歩を進めた。
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