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寮を出ると、通っていた高校と同じ設計の建物が正面にあった。
ただし、木造。
門、外装、体育館やグランドの位置までもそっくりそのまま。
変わったのは、門の正面の田畑が寮に変わり、車や自転車はおろか道路といった交通機関さえが消え、のどかな村になっていた。
「なんだこれ……」
つい、独り言のように発してしまったその声を聞いたのは…
「あっ、禊!!」
美涼と銀だった。
いるはずの㌧骨とグァバがいないことに気づいた禊は、彼女らの行方を二人に聞くが、二人も知らないと言った。
【あと5分】
ふと、先生の言葉が浮かび上がった禊は、「急げ!」と二人に言い聞かせ、長い階段を上った。
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