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「何で杏仁豆腐なんだ?」
「ルナフィスの場合杏仁豆腐あげると魔力回復するのよ。」
「…」
ツッコミどころが多すぎてつっこむ気にもなれない。
「…っていうかお前は自分から話振っといて寝坊してんじゃねぇ!!」
「ご、ごめんなさい~~!!」
優奈が小さくなったように見えた。
「ったく…。で、お前が昨日言ってた手伝いって何なんだ?」
その言葉を待ってましたとばかりに優奈の顔から曇りが消える。
もしかすると、涼はとんでもないことに首を突っ込んだのかもしれない。
「そうそう、その話なんだけどね。」
涼の表情が少し真剣なものになる。
「学校再建しようと思うの。」
「学校再建!?」
あまりの拍子抜けな内容に涼の声は思わず裏返った。
「そ。魔法を人の為に使えたらいいなぁってずっと考えてたんだ。」
優奈は爛々と輝く目で涼を見ながら訴えかけてくる。
「俺パス。」
「えっ!?何で!?」
唐突な反論に優奈は愕然とした。
「ただでさえ嫌いな学校に何で俺が感謝してるみたいな事しないといけないんだよ。そんな面倒臭い事できっかよ。」
涼が吐き捨てるようにそう言うと、優奈はにたっと笑う。
「ふーん、そう。」
「何だよ、ふーんって…ーーーーーっておい!!」
優奈の後にはカマルがよだれを垂らして待機していた。
「き、きたねぇ…」
「ま、始めからやらないっていうのは分かってたからね。もう一回だけチャンスあげるね、やるの?やらないの?」
「…やります…。」
落胆のため息と共に呟くように言った。
「よろしい。じゃ、昼休みに体育館裏にきて。」
「ちょっと待て、朝早く起きた意味はなんだ?」
「朝からやるつもりだったけど、眠たいからお昼にしよ?」
「………………。」
涼は頭を抱えた。
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