第四話「絶望と希望」

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「そ。あなたたちが使おうとしているその“JOKER”のカードはね、本来使っちゃいけないの。」 ソラフィスは真剣な表情で語り始めた。 「使っちゃいけない?ならなんでこんなところに…。」 「それはね、“極地に立たされてもう後戻りが出来ない人”が使うカードなの。使えば魔力も何もかも戻ってくるわ。もちろん、カードもね。」 「な、何でそのことを…!?」 「今はそんな事どうでもいいの。で、単純な人は“これを使えばまた魔法が手にはいる”って考えるわけ。」 「え?そうじゃないの?」 優奈は目を白黒させる。 ソラフィスは呆れたように溜め息をつく。 「はぁ~…考えてみなよ。そんなに簡単な事なら極地に立たされなくてもいいでしょ?当然デメリットもあるの。まぁ…デメリットもその人次第でどうにでもなるけどね。」 「そ、そのデメリットって一体…。」 優奈とルナフィスはごくりと唾を飲み込んだ。 「死神と戦うこと。勝てば魔力も何もかも戻ってくるけど、負けた場合は永遠に死の世界をさ迷うことになるの。それに戦う相手は死神だけじゃないだろうしね。死神だって無駄に魔力を使いたくないわけだから、自分と戦う前に別の誰かを使って殺しに来るだろうし。」 「…なるほど。」 「ルナフィス、姉として言っておくわね。そのカードは使わないべきよ。あなたたちの腕では結果は見えているからね。あと……今度会う時は敵同士でない事を祈りましょう。」 ソラフィスは意味深な言葉を残して突然姿を消してしまった。 「いっちゃったね、お姉さん。」 「う、うん…。」 ルナフィスはどこか浮かない表情で返事をした。 …少しおかしい。 「どうしたの、ルナフィス?」 優奈はひょいっとルナフィスの顔を覗き込んだ。 表情は強張り、どこか身震いしているようにも見受けられる。 「え?な、なんでもないよ。ただ最後の敵同士っていう言葉が…。」 「敵同士がどうかしたの?」 「うん…実はソラ姉は…一言で言っちゃえば物凄く強いの。妖精の中でも頭一つ抜きでていたし…。」
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