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涼と和人が黒板消し飛行事件について議論していると、HR(ホームルーム)開始のチャイムがなり、それとほぼ同時に担任の教師がドアを開けて入室してきた。
よくは見えないが、ドアの向こうに誰かもう一人いる。
皆一斉に着席し、先ほどまでの騒がしさが嘘のように静まりかえった。
「皆さん、おはようございます」
「おはようございまーす」
教師の朝の挨拶に生徒達は、まだ少し眠たそうな声で返事した。
「今日はHRを始める前に皆に紹介したい人がいます。2年8組の新しい仲間ですね。はい、じゃあはいってきて下さい」
教師がドアの方にそう呼びかけると、前のドアが緊張気味にゆっくりと開く。
女の子だ。
綺麗な黒い髪色をしていて背はそんなに高くはない。
頭のてっぺんのアンテナのようにぴょんと跳ねた寝癖のような髪が印象的である。
女の子は教室に入ってあけたドアを丁寧に閉めると、生徒達の視線をあびながら教師の横についた。
「え~っと、この子は……」
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