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「どこにいるんだ!!」
「ここだ。」
死神がその姿を二人の前に突然現した。
「ソラフィスが忠告したはずだ。“JOKER”を使うなと。」
死神は憎悪のこもった声で言った。
だが、涼はそれに臆する事なく鼻で笑ってみせる。
「お前を倒せば魔力が戻ってくるんだろ?…悪いがこの前みたいにはいかないぜ。」
涼はかかってこいとばかりに手をクイクイッとして挑発する。
「ククク…貴様を殺すことはたやすい事だ…。しかし魔力をもっていない人間をいたぶっても面白くないだろう?」
死神は意味ありげに微笑する。
「…なにがいいたいんだ。」
「こういう事だ!!」
死神の声が力んだかと思うと、突然涼の体を圧倒する突風が襲った。
涼は抵抗することも出来ずに地面にたたき付けられた。
「痛っ…」
涼は頭をおさえながらゆっくり体を起こす。
優奈とルナフィスはすぐに涼の元に駆け寄った。
「相馬君!!」
「相馬さん!!大丈夫ですか!?」
「…ああ、大丈夫だ、心配かけたなーーーーーーっ!?」
涼は眉をしかめた。
「どうしたの、相馬君?」
「…ルナフィスが見えるんだ…。そこに…ルナフィスがいる…。」
「え?」
涼は半信半疑のままルナフィスを指差した。
優奈がその先を見てみると、そこには確かにルナフィスの姿があった。
「…!!もしかして!!」
「そうだ涼。貴様に魔力を戻しておいた。優奈にもカードを補給してやった。」
「え!?」
優奈は自分のポケットに手を突っ込んでみた。
ケースが入っている。
取り出してみると、そこには前のものと変わらない優奈の精霊達がいた。
「ククク…これでまともに戦えるだろう?こうでなくてはおもしろくないのでな。」
「…後悔してもしらねぇからな。」
「それはまたここに戻ってきてからきこう。フンッ!!」
死神の力んだかと思うと、優奈と涼、二人が突然姿を消してしまった。
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