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「な、何なんだ一体…ーーーん?」
涼は火の壁の向こうに目を凝らした。
人影らしきものがゆらめいている。
「久し振りだな、相馬ぁ…。」
「!?お、お前まさか櫻井か…!?」
現れたのは憎悪に歪んだ表情で笑っている高校生の姿になった櫻井だった。
一目でわかるほど面影が残っている。
「何でお前がここにいるんだ?」
「ククク…死神がここで生かしてくれたのさ。お前への憎悪の感情をいつも煮えたぎらせていた…。ようやく…ようやくお前を殺せるんだ…。ククク…。」
櫻井は首の骨をならして力が有り余っている仕草をみせた。
「何度やっても同じだ。お前には欠けているものがあるからな。」
「ほ~う…それはこれのことか、相馬ぁ!!」
櫻井は異常なスピードで涼に迫る。
ーなっ!?
涼が動けないでいる間に涼の体を後方へと吹き飛ばした。
「ぐぁっ!?」
涼の体は壁に強く打ち付けられた。
体はそのままずるずると下へとうなだれていく。
「以外にあっけないな、相馬ぁ。もっと遊んでくれよ…なぁ?」
櫻井は手の骨をバキバキと鳴らす。
「くっ…お前魔法が…。」
「ククク…そうだ、俺も手に入れたのさ…お前と同じ魔法をな。今のは俺に使った『バースト』だ。これでどうなるかわからなくなったぜぇ?」
桜井はそういうと悪魔のように哄笑した。
一方、優奈も真っ白な空間に一人の男にあっていた。
「に…新田君…。」
優奈の目が点になった。
全身が凍る勢いである。
「久し振りですね、虹河さん。またこうして会えたことを光栄に思いますよ。」
新田はそういいながらゆっくりと優奈に歩み寄っていく。
作り笑いが非常に不気味である。
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