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優奈はじりじりと後退していく。
「虹河さん、僕と一緒にこの世界で暮らしましょう?」
「な、なに言ってるのよ!?私はまだ死にたくないわよ!!」
優奈が首を横に振りながらそういった途端、新田は俯いて黙り込んでしまった。
「に、新田く…」
「クヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ……」
突然背筋がぞっとするように笑い始める新田。
「クヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…そうですか…でも帰らせませんよ?僕はこの日の為に今までここで生きてきたのですから…。力ずくでも死んでもらいますよぉ~~!!!!」
新田はケラケラと哄笑しながら、何もなかった手に剣を作り出して優奈に斬りかかった。
「きゃあっ!!」
間一髪かわすと、直ぐさま距離をおいてカードを一枚取り出す。
「そっちがその気なら私も本気でいくわよ。」
「クヒヒヒ…そうじゃないと面白くないじゃないですか。ちなみに何故僕がこの場所を選んだのか教えてあげましょう。僕は…この白い世界に飛び散る鮮血が好きなんですよ…特に虹河さん、あなたの血はね…クヒヒヒ。」
ーく、狂ってる!!
「どうしたのルナフィス、このスピードにもついて来られないの?」
「くっ…『ネトロ』!!」
「あなたのかんがえは分かりやすいわね。足を遅くして自分は速くなる…単純ね…。」
ソラフィスは以前と変わらない相変わらずな強さを誇っていた。
ソラフィスは隙を与えないとといった感じで、すかさずルナフィスに掌を向ける。
「『オメガストーン』」
空から降る無数の隕石がルナフィスを容赦なく襲う。
「きゃあっ!?」
ルナフィスの体は地面に強くたたき付けられた。
「ぐっ…」
ー『つむじ風』でもついていけないなんて…速すぎる…!!
「地面に落ちてからが本番よ、ルナフィス?これは大会じゃないんだから。」
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