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「ぐ…ソ、ソラフィス…。」
カマルは恨めしい目でソラフィスをギロリと睨んだ。
それをみたソラフィスはニコッと微笑み一言。
「情けない姿ね。」
ソラフィスはそう言うと手を元の形に戻した。
手はカマルの血を浴びている。
カマルは絶命し、カードの中に姿を消した。
「カ、カマル!?くっ…。」
「もう終わり?案外あっけないのね。」
「くそっあいつ…!!」
「待って!!」
痺れを切らした涼がソラフィスに挑もうとすると 、手の上のルナフィスがきゅと涼の服を握った。
「何だ、ルナフィス。」
「まだ私との決着はついてないよ…。」
「どの口がそんなこと言えるんだ。その体じゃ無理…」
「お願い!!闘わせて!!私…私負けたくないの!!」
ルナフィスは真剣な眼差しで涼を見て言った。
これが致命的な傷を負った者が浮かべることの出来る眼だろうか。
涼は少し考えたのち、はぁ~っとため息をついた。
「…回復させといてやるよ。」
涼がすっとルナフィスに手をあてると、目を背けたくなるような傷がみるみる塞がっていく。
「ありがとう、相馬さん。」
ルナフィスは治った羽を羽ばたかせて再び上空でソラフィスと対峙した。
「また来たの?懲りないのね。」
「それだけが取り柄だからね。次はソラ姉が倒れる番だよ。私はソラ姉の弱点、見つけたからね。」
ルナフィスはにこっと微笑んだ後、光の球を一発、不意に放った。
「先制攻撃?そんなのお見通しよ。」
ソラフィスは更に大きい光の球を一度に何発も放った。
ルナフィスの光の球をいとも簡単に飲み込み、その光はそのままルナフィスに襲いかかる。
「“ラングザーム”!!」
ルナフィスがそう唱えた瞬間、光の球の速度が寝ていてもかわせるほどにまでに減速した。
「なるほど、少しは考えたようね。」
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