第五章:「化える者」の決意

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誰もいなくなった公園に、私はまだいた。 ベンチは最初の一撃で木っ端微塵になってしまったから、今はたった一本だけ残った木に凭れ、座っている。 「これで・・・・よしっと」 膝の上に置かれた便箋を封筒にしまう。月の光頼りに書いた手紙ではあるけれど、短いもの──短すぎて手紙とも呼べない手紙。 でも、その数行に込めた私の決意。それは、例え本一冊でも書き表せないほど深い。 「カメちゃん、辛いかもしれないけどもう少しだけお願い」 私の言葉にカメちゃんは弱々しく首を動かし、口を開く。 口から出てきた【泡】が、青色の封筒を静かに包む。 「・・・・よし!」 ゆっくりと風に煽られて上空に舞い上がる自分の決意の証を目にしながら、私はポケモンセンターへと向かう。 (君は甘いよ) その瞬間、頭の中で響いた少女の声。 まるでその声から逃げ出すように、私の足は早まった。
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