第六章:名刑事の実力

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「ってぇなおい!お前少しは手加減なり遠慮なりを覚えろ!」 殴られ真っ赤になった鼻を押さえながら飛び起きた青年……否、少年が、存外高い声で涙目で猛抗議を開始した。 年のころは16、7。顔立ちは中の上というところか。幼さをところどころに残すものの、ややつり上がった瞳は他人を妙に惹き付ける力がある。髪型は右の前髪を無造作に伸ばした以外は取り立てた特徴はないが、少年の容姿には十分似合っている。 この少年、その名をポッター。 「あら、私が優しく起こした時にあなたがちゃんと目覚めた試しがあったかしらね?」 冷然と突き放すは、やはり黒いスーツに身を包んだほぼ同じ外見年齢の少女。 ポッターとは逆に垂れ気味の目を剣呑に眇め、腰に当てられた白い右手にはうっすら青筋。ややウェーブした美しい金髪を潮風にまかせて後ろに流し、ファッション雑誌の表紙すら飾れそうなその姿全身を持って怒りを表す。茶色の瞳にはリアルに炎がちらつきそうで怖い。 この少女、その名をエミリー。 二人の胸には、全く同じ形のブロンズのエンブレム。 エンブレムは、二人が国際警察機構に所属することを示している。
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