第九章:東西奮戦記

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「で、結局この状況どう打開するよ」 飛んできたカブトプスの【ハイドロポンプ】を屈んでかわし、スターミーの【スピードスター】で弾き飛ばしながらヒカルが問いかける。 「敵の数は六、こっちの数は四、おまけに………」 エルレイドの突き。エレキブルの拳が受け止め、そのまま【雷パンチ】で応戦。回避しつつ、わかりやすい憎悪を目に込めてエルレイドがバックステップで距離をとる。 「ご主人様がいなくなったってのにこいつらのこの活力はどうだい?」 【突進】をかけてきたアーマルドをスターミーの【バリア】で弾き飛ばすが、一向に戦意が衰えた様子はない。着地した場所で姿勢を整え唸り声。 【水の波動】で畳み掛けるが、【護る】を発動され無効。自然と舌打ちが漏れた。 「ムカつくくらい上手に育ててるわね」 【リーフブレード】と【切り裂く】で両側から襲いかかるストライクとジュカインをサーナイトに【影分身】でかわさせつつ、エミリーも忌々しげに六体を睨む。 「レベルはこっちが上だけど、動きが変則的すぎて捕まえられない。長期戦なら倒せるだろうけど」 「んな暇あると思うか!?」 「無いわね」 【バブル光線】と【マジカルリーフ】の同時発射が【転がる】を仕掛けてきたサンドパンを直撃。派手に吹き飛んだものの弱点技にも関わらず致命傷には程遠い。 「アンズさん無事かしら」 「無事の可能性が極めて低いから慌ててんだろうがよ。【影分身】見切って一撃入れてくるようなやつ敵に回して勝てる人間なんか居たらむしろ困るわ」 冷静さを保ちつつも、確認した現実の予想外の厳しさに二人の声色には明らかな焦燥。 「誰か代わりに指揮でもしてくれんなら話は別…………」 「それよ!」 突然エミリーが手を叩いた。 「ボス!ゲンさん!出てきて!」
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