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「しっかしここまで頑なに黙り決め込む理由がわからんなぁ」
その気になれば人の一人や二人殺せそうな目付きの白装束を見下ろしながら、マサキが首をかしげる。ちなみに今現在の白装束は身体中をアリアドスの糸でがんじがらめにされ身動きが取れない状態だ。
「まあホンマモンの忍者ならちょっとやそっとじゃ口割らへんか」
「忍者かどうかはともかくとして、こいつの名前と出身地なら簡単にわかるぞ」
マサキの隣に立ちながら、ヒカルも白装束を見下ろす。
「少なくとも俺とイエロー、それにマサキとナナミさんはな」
白装束も果敢に見返すものの、元の目付きの悪さからヒカルに軍配。白装束は、数秒ののちゆっくりと視線を外してうつむいた。
「ヒカル君、それってつまり」
「ボクたちはその人に会ったことがあるってこと?」
「そのとーり。それもつい最近だ。会ったというより見た、だがな」
屈み、俯く白装束の顔を覗き込むヒカル。
「まあ俺も戦ってる途中で気づいたんだがな…………それもそこの金髪令嬢国際刑事のお陰で」
「何で最後ちょっと不満げなのよ」
エミリーの抗議をさらりと聞き流し、右手を無造作に覆面にかけて
「ご開帳~」
一気に上に持ち上げる。
覆面の下から現れたのは、まずやたらと量の多い黒髪。ついで、宝石のように大きな目、白い肌………
「…………大道芸人さん?」
露になった顔を目にして、イエローが呆然と呟く。
「ご名答」
パチパチと気のない拍手をしながらも、ヒカルの視線は鋭さを増す。
「確か、シンオウ地方出身だよな?ジュンペイくん。とりあえずどんな事情でジムにこそ泥なんか仕掛けたのか詳しく聞かせてもらおうか?」
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