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「誰だあんた」
思わぬ乱入者にやや拍子抜けしつつも相変わらず剣呑な目付きのヒカルを「まあまあ」と手で制しつつ、更に歩を進める。
「どうなんだい少年。間違ってるかい?」
(初っぱなから全開だなぁ)
初めて聞く人間には感じがよく思えるだろうギンペイの声色。
これがスクープを引きずり出すためならいくらでも相手に食い下がるときの声であると気づくには、最低三年は必要とする。自他共に「鋭いやつ」と認めるカズですら一年半かかったのだ。
「どなたかは存じませんが、邪魔をしないでいただきたいですね」
ギンペイの肩に手を置いたのはトウマ。口調は落ち着いているが言葉ははっきりした拒絶だ。
「当てずっぽうで物を言えば話に入れると思わないで。とにかく下がっ」
「…………なしてわかったのだ?」
ジュンペイの間の抜けた声に全員が振り向く。単に撹乱のため話に乗っただけかと一瞬誰もが思ったが、驚くことすら忘れたようにきょとんとしているその表情が、小太りな新聞記者の洞察が正解であることを裏付ける。
ギンペイのみが、ニヤリと笑みを浮かべた。
「ここらで“実はエスパーです”とでも種明かしすれば納得か?ま、安心しろ、ちゃんと根拠はあるからよ」
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