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リカに厳しい口調で問いただされつつも、トウマは表情を動かさない。やがて、ペコリと頭をひとつ下げる。
「申し訳ありません。最重要機密と上層部から言われてますので」
「あのね、そんな問題じゃ……げぅ!」
「落ち着けねえちゃん」
珍しくいきり立ってトウマに掴みかかろうとしたリカの襟首を、ギンペイの大きな手が捕らえる。
「ここで実力行使したって何にも変わりませんよ?下手したらアンタが牢屋に繋がれておしまい。それじゃ意味ないでしょ~」
言いつつ、また例のニヤニヤを浮かべるギンペイ。
「まあ俺は実はとっくの昔に事情は掴んで……早まんなよ、別に違法な手段は使ってねえ。ヤト村が完全に封鎖される前に村人から仕入れた話があるだけだよ」
爽やかな笑みで腰の手錠に手をかけたトウマを制止しながら、お手上げのポーズを取って見せる。
「そーいうわけだから俺から話しても別に問題はないんだがよ。やっぱり当事者から話聞いた方がしっくり行くだろ?
なぜこの村のガキがイエロー=デ=トキワグローブの協力を得るためにここに忍び込んだのか、をよ」
「………ボクですか?」
唐突に出てきたイエローの名に室内の空気がはりつめる。イエロー自身は急な事態にキョトンと首をかしげた。
再び視線の集中を受けたジュンペイは僅かに身動ぎし、それから観念したように項垂れる。
「その男の言う通りじゃ。我はそこな美少女の───イエローの力を借りたくて、このカントーの地まで来た」
「何で、ボクの力が必要なんですか?」
ジュンペイに歩み寄り(もっとも途中でヒカルに止められたが)イエローが尋ねる。頬に赤みが射してるのは「美少女」と言われたのと無関係ではあるまい。
「我らの村を救うためじゃ」
顔を上げたジュンペイの発した言葉が、室内に響いた。
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