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「ボクの力は本当にあなたの村の助けになるんですか?」
イエローの問いに、ジュンペイは力強く頷く。
「おそらくはの。何せワシらが閉じ込められた理由は、病のせいじゃから。話に聞く“トキワの森の力”があれば、我らは助かるはずじゃ」
「病?何のや?」
「悪魔の病よ」
マサキの呟きに暗い表情での答えが返ってくる。
「この病にかかったポケモンは、例外なく目が赤くなる。元の瞳の色など関係なしにの。そして、腹部に楕円形の痣が現れよる。元々目が赤い奴は腹を見て見分けられる」
「かかったポケモンたちはどうなるんだ?」
ヒカルの問いにジュンペイの表情で陰鬱な影が濃くなる。
おそらくここに来るまで散々地獄を見てきたのだろう。
「………人間を襲うんじゃ」
ジュンペイの返事に部屋の面々が戸惑いがちに顔を見合わせる。人間をポケモンが襲うなど日常茶飯事とまではいかなくても十分にあり得ることだ。わざわざ村一個とその周辺を封鎖する理由としては論外と言っていい。
「まー確かに、襲うってだけならあり得るわな。今でもスピアーの巣に石ぶつけちまったとかリングマの縄張りに足踏み入れて追いかけ回されたとかいう話は後をたたんよ。だがね」
戸惑いの輪に加わらなかったのは、ナツメ、ギンペイ、トウマの三人。口を開いたのはギンペイだった。
「ビッパが突然集団で作動中の農家のトラクターに襲撃かけて、中の成人男性引きずり出してよってたかって喉笛と腹をかっさばくのが“自然”で流されたとしたら世も末だわな」
想像を絶する真実に、部屋の中に沈黙が降りる。
「………信じられない」
ナナミの呟きにギンペイは小バカにしたように鼻をならす。
「信じようが信じまいが勝手だがな、これが“事実”だ。少なくともこのガキはそんな地獄から逃げたい一身でここまで来た。
そっから目を背けても現実はかわらんよ?」
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