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「何だよ…」
緊張が嘲笑に変わるまでの時間は僅かだった。
見下ろす先には、一匹のコラッタ。
「脅かすなバカヤロ」
そして、気づく。
自分の相棒であるヘルガーが、なにかに怯えるように毛を逆立てていることに。
コラッタの目が、異様に赤いことに。
自分の回りに、いつの間にかにヘルガー一匹では太刀打ち不可能なほどの数のコラッタが集まっていることに。
隊長が言っていた「引き金を引くべき」が、今であることに。
すべては、遅すぎた。
「た」
断末魔は、肉を食い破る鈍い音に掻き消される。
「後ろだーーーーー!」
いくつもの叫び。次いで技が炸裂する音に、銃声が重なる。
それも数十秒後には全て悲鳴に変わり、さらに数秒後、無音となった。
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