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キィーっと音を発てて、頂上の扉を開く。
そこは一番偉い人がいることを示す。
つまり神狂の長である。
遅かったなと、聞こえてくる。
その聞こえてきた方を見ると、そこには車イスに座っていて、フードを被っている男がいる。
顔は見えず、かろうじて口が見えるくらいである。
「魔物にちょっと邪魔されたからな。…ルクセンなんのようだ?」
神狂の長の名は、ルクセン。
今は車椅子なため戦闘はできないが、かつて最強と言われていた人物だ。
「そうだったか。…実はお前に任務だ。ソルジャーLEVEL1(レベルワン)…トレイン・ディス・ギルバート。」
落ち着いた話し方をするルクセンは、俺が嫌とわかっている言葉をあえて発した。
「本名で呼ぶな。何回言わせるんだ。トレインでいい!」
低い声で殺気を放つ。
「わかった、わかった。それより任務の話だが、また魔物の討伐だ。詳しいことはこの手紙に書いてある。よく見といてくれ。」
悪びれることなく話の話題を変えて淡々と話す。
その態度にイライラするが気にしてはいけないと思い自分を抑えた。
「了解。じゃあ帰るぞ。」
そう言って部屋から出ていく。
彼は、神狂の戦士の一人である。
神狂の戦士のことをソルジャーと呼ぶ。
神狂の戦士には階級があり四つに分かれている。
ソルジャーLEVEL1が一番強い。そのあとに2,3,4と続く。
そしてトレイン・ディス・ギルバートはソルジャーLEVEL1である。
神狂最強と言われている説がある。
かつてのルクセンを上回るのではないか、という皆の期待がかかっている。
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