第1話 プロローグ

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 放課後、テストも終わりあと一週間で夏休 みだからかこれからの予定の話なんかが聞こ えてくる。来年はそんな暇はないんだろうな とその時の自分を思い描きながら帰り仕度を してると級友が近づいてきて 「おーい明日空いてるか?」 「ごめん明日はちょっと…」 「うーんそっか。どーせあいつとデートなん だろ?なら仕方ないな」 「違うよ。ただ一緒に博物館に…」 「ほーうそれはいい事を聞いた。それとそう ゆうのをデートというのだよ勇哉クン」 ニヤリと効果音がでそうな笑みを浮べる。 「違うってば。デートならもっと相応しい所 があるし、だいたい彼女とはそんな間柄じゃ ないんだからっ」 「んーまぁそうムキになるな。おまえ等の事 は皆知ってるんだし隠さなくたっていいんだ よ。それと…皆こっちを見てるぞ」 はっと気付くと声が大きかった為確かに視線 は僕に集まっている。囁きあう者やクスクス 笑う声も聞こえてくる。おそらく顔は真っ赤 になってるだろう 「とにかく悪いけど明日は用事があるって事 でパスな…覗きにくるなよ」 「おーそれは思い付かなかったな。この際予 定キャンセルして君等を観察するのもアリか な…ってマジに睨むなよ。心配すんな安 心してデートしてこいよ」 ヒラヒラ手を振りサヨナラをするのと同じに 僕は早足に教室を後にする。聞いてた奴が何 を話しあってるかは考えないでおこう。  電車に乗る前に本屋に寄り今朝の続きを再 開する。読み終わって左腕を見ると十八時、 ホームへ着くとちょうどきた電車に乗り込み 耳にイヤホンをさし込み瞳を閉じる。ニュー スは最近巷を騒がしてる連続宝石強盗の特集 を流していた。ふと明日行く博物館に盗まれ そうなものがあるか考えてみる。金目のもの はないし明日、明後日だけみれるってのも宝 石の類ではなかったから大丈夫か。  そんな下らないことを考えつつ自宅の玄関 を開ける。誰もおらず二人共今晩も遅くなる なと思いながらシャワーを浴び、着替えを済 ませ夕食を作って食べる。(ちなみにレバニ ラ、豆腐とワカメの味噌汁に炒飯)洗い物を 済ますと電話が鳴り出す。時計に目をやると 二十時、この時間に電話をかけてきそうな人 物の顔を思い浮かべながら受話器をとる
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