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「はい…」
「あ、勇哉?今日の文・手芸部はあの話で持
ち切りだったわよ。色々と聞かれたわ。『何
処に行くの?その後どこへ?さらにそれから
は?夕食は?お泊り?どっちの家?ひょっと
してホテル?』とかね」
「う…ごめん…」
「いいわ…どうせ明日空いてるか聞かれて馬
鹿正直に答えちゃったんでしょ」
「よ、よく分かるね」
「そりゃそうよ、あの現場にいた子が一部始
終を話してくれたんだから『ただ一緒に博物
館に』って」
「ごめんね…明日どうしようか?やめておく
か?」
「ううん、中止にしたら余計に何か言われる
わ。十一時いつもの本屋で立ち読みでもして
てね…明日は全部そっち持ちよ」
「はぁ…分かったよ」
「ま、勇哉が遅刻するのはありえないから安
心ね。そうそう…」
それから雑談、今日の学校での話、再度明日
の確認をして
「なぁ明日みたいものってそんなに珍しいも
のなのか?」
「それは見てのお楽しみよ。それじゃおやす
みなさい」
「おやすみ、また明日」
受話器を戻し通話時間を確認すると二十分程
だった事が表示される。
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