ボーダーライン(本編)

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遠くで電話が鳴っている。 両親が共働きで、兄弟もいない私は、家にひとりきりだったため、電話をとった。 学校からだった。 「木下さん…本当に神崎さんから何も言われてない?」 いきなり、担任から言われたこの言葉に、なんとなく、これから告げられるであろうことが分かった。 「神崎さん…自宅のお風呂場で…手首を切ったの…」 驚きはしなかった。 むしろ、口には笑みさえ、浮かんでいた。 「先生、今から学校行きますね。」 勝手に電話を切った。
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