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靴を履いて、外に出た。
2月、ということもあって、まだ、全然寒い。
私、生きてる。
それが何となく嬉しくて、走った。
美沙、一緒に生きよう。
"「死ぬ」から「いない」とは限らないし、
「生きてる」から「いる」とも限らない。"
分かるよ、分かるけど…
いいじゃん、生きていようよ。
うちらは、世間のほんの一部にも満たない、小さな人間だけど…
実は、消費税払ってるから国を助けてて、社会の教科書の"日本の人口"のグラフの中に、私達、入ってるんだよ。
なんか、そう考えてみたら、私達って、すごいと思わない?
なんちゃって。
メチャクチャだけどさ、それですごいって思える私って、計り知れないくらい幸せ者だけどさ…いいじゃん。
何がいいのか分かんないけど…いいじゃん。
苦笑する美沙の顔が浮かんだけど、気にしない。
気にしないで、"生きてていいじゃん"って、肩に手を置いてやる。
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