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彼岸花
貴方の存在を
生きている姿を
これから起こることを
全てを
観ない振りをした
知らないままで
いようとした
そんな卑怯な私を
貴方はどのように
感じていたのでしょうか
あの頃の
幼すぎた私
現実を直視しなければ
昨日と同じ明日が来ると
信じていたのです
いえ…
自分に嘘を
ついていたのです
絶望的な期待
シナリオ通りの現実
ただ一言
「ありがとう」
それすら
言えないまま
輝きを失った瞳を
冷たくなった掌を
ただ
眺めているしかなかったのです
彼岸花、彼岸花、
彼岸にいるあの人に
もし
伝えることが
できるなら
彼岸花、彼岸花、
此岸にいる私からあの人へ
言の葉を届けて下さい
「貴方は私の大切な人でした。今までも、そして、これからも」
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