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美雪「さて、君には聞きたいことがいくつかと、頼みたい事がある。」
優「…なんでしょう…?」
美雪「まぁ、そう堅くなるな。君が男子と言うことは承知している。」
優「…へっ?」
じゃあ一体何の為に…や、やっぱりカツアゲ!?
美雪「いや、カツアゲとかじゃない。…というかそんなイメージがあるのか…少しショックだな。」
なっ!?どうして僕の考えが分かるのこの人は!?
美雪「うん、ビックリさせてすまない。これはいわゆる読心術という技だ。…それより、声に出して話さないか?この技は結構疲れるんでな。」
優「あ、すみません。…で、聞きたいことって?」
僕がそう言うと美雪さんは少し顔を赤らめてから言った。
美雪「う、うん。…実はな?私には今好きな人がいるんだ。」
優「………はぃ?」
突然そんな事を言われた僕はなんとも間抜けな返事で返してしまった。
でも美雪さんはそんな事を気にもせず続けた。
美雪「しかし、私はその人と親しくない間柄でな…君にその人と私の仲介人になって欲しいんだが…ダメか?」
そこまで言われてからやっと美雪さんの頼み事が何なのかを理解した僕は、まず最初にこの頼み事を受ける上で一番重要な事を聞く事にした。
優「副会長、返事する前に一つ聞いていいですか?」
美雪「なんだ?…っと、その前に私の事は美雪と呼んでくれていい。私も君を優と呼ぼう。」
優「あ、はい副か……美雪さん。その…美雪さんの好きな人の名前は?っていうか僕の知っている人ですか?」
美雪「ああ、私の好きな人の名前は……」
美雪さんはそこで口を閉じ、しばらくしてから開いた。
美雪「私の好きな人は…や、山崎 霧也という人だ。」
ポクポクポクポクポク、チーン。
……………へっ?
優「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
僕は驚愕のあまり絶叫していた。
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