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雅「じゃあ…引いて?」
そういう雅の手には三本の割り箸が…
雅がくじ引きの主導権を持っている今、奴の部屋は危険性が高いと見てまず間違いないはず。
僕は覚悟を決めて割り箸に手を沿える。
一本だけ、他の二本より固く握られている。
普通ならこれが安全なんだろうけど、雅は僕が三つの選択肢全てを嫌がっているのを知っているからこれは十中八九ダミーだ。
僕はその一本から手を離し、その右側の割り箸を掴む。
瞬間、雅の顔色が変わり、不安げになる。
しかしこれもダミーだ。
奴は巧妙な心理戦を得意としている。
そんな奴がこんなわかりやすいヒントを用意している訳がない。
つまり残る一本が恐らくはいつも一緒に寝ている若葉との相部屋のくじだ!!
僕はその一本を引き抜く。
途中雅は勝ち誇った顔をしたけど関係ない。
それも僕を惑わせる為の罠なんだから。
そして僕の引いたくじには
………雅………
と、書かれていた。
優「どうしてこうなるの!?…おかしいどこで間違えたんだ!?」
僕がパニックに陥っていると雅は笑いながら、
雅「ふふっ、お兄ちゃんてばホントに分かりやすいよね?全く、だから可愛いのよね…」
と、言った。
くっ…!!
やられた。
僕はガックリと肩を落としてしばらく落ち込んでいた。
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