smells like teen spirit

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木枯らしが街を切り刻む音。 随分と冷え込んできた。夕闇に染まる空を見ながら、そういえばもう11月なんだな、と思い出す。少し鬱になりながらバイトからの家路を急いだ。 駅前の雑踏の中を歩いていると、自分の体が少しずつ消えていくような気がした。少しずつ俺の体が半透明になっていき、やがては誰にも気付かれることなく俺はこの世界から消え去ってしまう。そう思うと堪らなく切なかった。 俺は首を振り、そんな馬鹿げたイメージを振り払う。感傷だな。そんなものに浸る暇があったら就職活動しろっていうんだ。フリーターなんて無職とさして変わらないんだから。そう自分に言い聞かす。 駅。電車を待つ間、喫煙所に足を向けるとスーツ姿の神崎に会った。大学時代の友人だ。 彼は燻る煙草をくわえながら、虚ろな瞳で俺を見ると、軽く右手を上げた。俺も右手を上げて返し、彼の隣に腰を下ろす。 「……俺が思うにさ、会社ってのは豚小屋と同じだと思うんだよ」 神崎が突然言った。 「愚痴なら聞かないぞ」 俺はそう言ってセブンスターに火をつける。 「いやいや、マジな話さ。連中はさ、要するに飼い慣らされてるんだよな。上から餌を貰う為に生きてるんだ。分かるよな?」 「分かんねぇよ」 俺がぶっきらぼうに切り捨てると、神崎は溜め息をついた。 「……最近どうよ?」 神崎が話題を探しあぐねたように尋ねる。
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