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†疲れる仲間
「良いですか、僕は正統な勇者の家系に生まれた、正統な勇者、つまりですね……。」 赤い鎧を着た男が、白いフードコートを着た女と草原を歩いていた。
「はいはい、勇者の中の勇者でしょ。」
苦笑まじりに女は答える。
「そのとぉーり、勇者の中の勇者、バーセイでつ。」 最後辺りを噛みながら、バーセイと名乗った男は草原を迷いも無く歩いていく。
「あぁ、格好つかないねぇ。」
それに後ろから女はついていく。
それはいつもの事で、それは自然な事だった。
「なんと申しましてもこんなカッコイイ結晶ももってますしね!。」
バーセイは誇らしげに、キラリと輝く緑の鉱石をかざして見せた。
しかし女はそれを無視、バーセイを追い抜いて駆け出しながら。
「みてみて、誰かゴブリンに囲まれてるよぉ。」
自称勇者を促した。
そのコートの間から赤い鉱石がちらりと覗く。
「ゴッ、ゴブリだっつったん!?。」
酷く動揺しながら先行した後衛を見送る前衛。
「お先にぃ!!。」
たかがゴブリンといえど条件しだいでは脅威にもなりえる。
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