第一章『そうだよね、春は旅立ちの季節だから。』

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  †疲れる仲間   「良いですか、僕は正統な勇者の家系に生まれた、正統な勇者、つまりですね……。」 赤い鎧を着た男が、白いフードコートを着た女と草原を歩いていた。 「はいはい、勇者の中の勇者でしょ。」  苦笑まじりに女は答える。 「そのとぉーり、勇者の中の勇者、バーセイでつ。」 最後辺りを噛みながら、バーセイと名乗った男は草原を迷いも無く歩いていく。 「あぁ、格好つかないねぇ。」  それに後ろから女はついていく。  それはいつもの事で、それは自然な事だった。 「なんと申しましてもこんなカッコイイ結晶ももってますしね!。」  バーセイは誇らしげに、キラリと輝く緑の鉱石をかざして見せた。  しかし女はそれを無視、バーセイを追い抜いて駆け出しながら。 「みてみて、誰かゴブリンに囲まれてるよぉ。」  自称勇者を促した。  そのコートの間から赤い鉱石がちらりと覗く。 「ゴッ、ゴブリだっつったん!?。」  酷く動揺しながら先行した後衛を見送る前衛。 「お先にぃ!!。」  たかがゴブリンといえど条件しだいでは脅威にもなりえる。
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