第一章『そうだよね、春は旅立ちの季節だから。』

5/13
前へ
/46ページ
次へ
  †四人目    正直何が何だか分からなかった、何処からか堕ちた、そんな気はしていた。  何があったんだったかさっぱり思い出せない、何か大切な事を忘れてしまったような。  静かに、静かに、黒衣を纏った男は落下していた。  何故かやけに尖んがった帽子を被った男だった。  そして訪れる瞬間を半分程度理解しながら、重力のなすがままに地面に吸い寄せられていく。  何故か声が聞こえた気がした、懐かしい、声が……。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加