第一章『そうだよね、春は旅立ちの季節だから。』

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  †パーティ   「!?。」  唐突に始まった戦いは、数に圧倒された状況だった。  モンスターハウスに踏み込んだのかと一瞬勘違いをおこす。  しかし冷静さは失わない、くぐり抜けた死線と、大地に頬を寄せた回数が自信となっていた。  そんな時だった。 「えいっ!。」  囲みの内の一体が、打撃音と共に崩れ去る。  そしてその背後から白いフードコートの女が姿を現した。 「助っ人ルク、参上ぉ!。」  そしてその後ろから赤い鎧の男が半泣きで、女にすがる。 「ひいっ、助けて下さい!、一人は嫌だ!!。」  苦笑いで女は応える。 「頼むよ、勇者様ぁ。」  勇者と呼ばれた泣いている男は、ナイフを抜いて漸く構えた。 「僕はっ!、勇者ですっ!。」  そして何とかゴブリンをまた一体葬る。 「やれた……のですか?。」  そして戦士はその場でへたりこんだ。
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