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「同じ学校の子か?」
聞かれて、反射的に彼女の笑顔が脳裏に浮かぶ。
気恥ずかしくなる一方で、なんともいえない暖かい気持ちが溢れてきて思わず頬が緩みそうになるのを必死に自制しながら、想いをぽつぽつと打ち明ける。
「うん、クラスも同じ。だけど直接話した事は…多分ない…かも」
「一目惚れか?」
「や、違う。…ん、違わない…のか?」
「なんだよそれ」
「惹かれたのは顔じゃないんだ。…あ、いや、顔もかなり可愛いんだけど。1年の時も同じクラスだったけど、変に意識したりとかってなかったし」
「じゃあ何処に惚れたんだよ」
「イベント会場に……居たんだ」
「……は?」
「この前のオンリーイベントで、ヴァロのコスしてたんだ。見た瞬間、一発で脳天撃ち抜かれた」
「それはキャラと中身のどっちに惚れたんだ?」
「勿論今は中身だよ!あの日以来、教室で井上さんを目で追うようになっちゃって…あ、井上さんっていうんだけと。席の位置的に俺の方が後ろなんだけど、後頭部を眺めてるだけで胸がキュンキュンするというか…」
「あー。くれぐれもストーカーの域には達するなよ?」
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