『あー』

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私の親は少しだけ霊感がある。 私を産んだ後は、霊感が衰えたらしく、見えたりはしなくなったのこと。 私が一歳になった頃たろうか。親からこんな話を聞いた。 親が「あー」と低い声で言うと、私は怖がって泣いていたらしい。 それを面白がった親。何度も何度も「あー」と言って、私を恐怖に陥れたらしいのだ。 しかも両親揃って。 いつもの通り、「あー」と言っていた時。 トイレから「あー」と聞こえたらしい。 当然、両親は茶の間に居る訳で、三人暮らしだったうちの家族は全員茶の間に居た訳だ。 その意味不明な「あー」と言う声は何度も続き、両親は怖がってしまった。 それから、「あー」と言うのは止めよう。という事になって、言わなくなると不思議とその声も止んだらしい。
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