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私は誰にも負けないと思っていた
今思えば天狗になっていた…
あの日、あの子に負けるまでは…
「あぅ…んっ…」
生まれて初めての敗北
「私の勝ちだね」
私を投げた女の子はニコニコと笑い私に手を差し出してきた
「くぅ、まだ負けないわ!」
どうしても、私は敗北を認められず手を払い
何度も
何度も
向かっていった
けれど、一度も勝てないどころか触れることさえできなかった
「ハァ…ハァ…」
膝をつき息切れする私をよそにあの子は息切れするどころか汗一つさえ流していない
「ねぇ、もういい?」
面倒そうな表情を浮かべ私を見下ろす女の子
「バカにして!」
見下ろすことはしても見下ろされるのは我慢できない
精一杯力を振り絞りもう一度、女の子に向かっていった
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